ヨシダ デザインワークショップ ブログ

学校建築・福祉施設・オフィス・工場をはじめとした設計実績が豊富な建築家・吉田明弘の建築に対する考え方をお伝えしていきます。

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フロイデ彦島

1/風景に身を沈める=周辺環境に配慮する。


高齢者施設は地域住民との良好な関係と連携が重要ですし、地域交流機能を持つ場合があります。一方、大きな建築物は周辺地域一体の風景を一変させ、環境を大きく変える力を持っています。建築は敷地内だけではなく周辺環境への責任も担っているのです。周囲が住宅街の場合はできる限り低層で圧迫感がないようにするべきだと考えています。

できる限り低層に

低層化

分節化

公園化

2/地域性や施設の持つテーマを抽出したファサード

(魅力的な建物はその場所を無くてはならないものにする力がある。)


外観には敷地が持つ地域特性や建物のテーマに合わせた仕上を選択し、その場にしかない唯一無二の際立った個性を与えます。ここで言う「個性」とは奇抜にするといった意味ではなく、建物がより魅力的であることは、喜びや驚き、ポエジーを喚起し、周辺環境をも巻き込んでその場所を無くてはならないものにする力があると考えるからです。

フロイデ彦島

ハートホーム宮野

YKK埼玉窓工場

YKK健康管理センター

3/「気配が伝わる」内部空間


=五感を通して自然や人が触れ合える機会を建築がつくる。

4/「見る・見られる」関係をつくる。


立体的に展開する吹抜けや光庭(中庭)を介して気配が伝わる内部空間を作り出します。このような「見る・見られる」関係は人と人の関わりにおいてより重要な役割を果たします。身だしなみを整え、お化粧をすしたりするなど、外出が少ない高齢者の施設において程よい緊張感と刺激を与えます。

視線

緩やかな分節

光庭

居室

居室

5/「視線の抜けと適度な遮蔽」をつくる。


自然や人の気配を感じることができる「視線の抜け」をいたるところに設けることは、鳥や虫の声、四季の移ろい、木のざわめき、料理の匂い、下の階の人達の会話、どこからともなく聞こえてくる音楽など、日々の生活を豊かにしてくれます。これは、単に視覚的透明性だけではなく、嗅覚や聴覚も含めた人間の五感に関わる透明性をあたえることでもあります。一方どこもかしこも開放的では落ち着かない空間になってしまうので適度に遮ることもまた必要です。中庭や廊下を介して刻々と変化する空間や木ルーバーによるスクリーンは適度の視線を遮るとともに管理する側の緩やかな見守りも同時に可能にしています。

視線の

抜け

視線の

抜け

6/「自分だけの居場所」をつくる。


ユニットケアは管理側の効率としての理由もありますが、居住者が家族的帰属感を抱きやすいといったメリットがありますが、入居者にとって擬似的家族の人間関係による緊張感もまた避けられません。一人になりたい。友達と静かに話しがしたい。といった欲求を満たすために、をニッチ状の空間や光庭や外部を眺める小スペースを多数設けることで入居者が「自分だけの居場所」を見つけられるようにします。

居場所

外部

光庭

7/段階的な空間構成。


段階的な空間構成「個室⇒ユニット廊下⇒ユニット共用⇒中庭⇒施設共用」を明確化すると同時に他ユニット間や地域住民が触れ合える可能性を建築が用意します。

8/光庭(中庭、テラス)は第二のリビング


光庭やテラスは光と風を送り届け、視線は通しつつも緩衝帯として建物内部を緩やかに区切ります。リビングと一体で連続した計画とする事で、外出が少ない高齢者にとって、安全に屋外に出られ、四季の移ろいなど自然を感じ、食事もできる第二のリビングとなります。

9/「優しい空間」をつくる。=シンプルで安全な空間をつくる。


建築は事業者と入居者が完成に導く「美術館」。建築は背景である。⇒(シンプルな空間、周到な収納計画、仕上を厳選)

優しい素材の使用⇒(人が触れる部分に自然素材を使う)

光がインテリアをつくる。⇒(自然光の導入、明るい室内)

安全性に配慮する。⇒(転倒事故への配慮、介護度に配慮した手摺)

・低層化(周辺のボリュームに合わせる)

計画地周辺が住宅地である場合、環境に配慮して敷地を広く活用することで高さ方向のボリュームをおさえます。

・分節化(建物をコンパクトに見せる。)

平面形状を雁行、分節化することで周辺の住宅に対する圧迫感を軽減する。

・公園化(敷地の一部を地域に開放する)

高齢者施設は地域に支えられた公共的建築です。地域の社交場でもあり交流の場でもあります。敷地は極力地域に開放し公園のような場にすることが理想です。