学校建築・福祉施設・オフィス・工場をはじめとした設計実績が豊富な建築家・吉田明弘の建築に対する考え方をお伝えしていきます。
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路地裏コミュニティの復権
路地裏が好きでよく歩き回っている。
路地裏コミュニティ。隣近所が生活の中に介入してくる関係。完全にポライバシーが完全に保証されていない状況、井戸端会議に巻き込まれる・・・。など、現 代の生活では受け入れられにくい環境だと考える向きも多い。「下町的」とマイナスイメージで捉える向きもあろう。しかし、高齢者の孤立化や孤独死の問題 や、今後やってくる超高齢者社会に対して、国は地域包括ケアを推進しているが、「おせっかい」や「見る見られる関係」が穏やかに許容される環境など「路 地」としてむしろ日本のどこにでもあった。路地の植え込みや、イスラムやイタリアの薄暗い路地裏、エーゲ海の迷路、スラム街、◯◯横丁・・・・「路地」に われわれが良きも悪しくも魅力を感じるのは、ただ単に異質なものの魅力だけではなく、なにか人間の原風景のような原始的なコニュニティを感じるからかもし れない。都市計画や建築設計において「法的問題を解決してでも残し、または、わざわざ新たに造るべき古き良き伝統」だと思う。路地裏コミュニティの復権 だ。
2015年3月20日金曜日
わかたけの杜では意識的に玄関を向かい合わせにするために南入りの玄関があります。また、空中歩廊を渡る人と目が合います。路地を意識的にジグザグさせて 視線が錯綜するようにしています。ちょっと近隣の人と顔をあわせる仕掛け。ちょっと会釈する関係。それは現代都市が失った大切なものを再評価する試みでも あります。
「井戸端会議」にかわる仕掛けを常に考えています。
石畳、植え込み、自転車、オーバーハングする増築、電線、通路の幅。全てがむしろ「好ましく」見えます。ノスタルジーかもしれませんが、科学では説明できない良さがあります。
「わかたけの杜」路地に面したリビング。有孔折板スクリーンで少しだけ視線を遮ります。空中歩廊の視線もあります。路地裏のように植え込みを置けばさらに穏やかなバリアーになるでしょう。人が通れば覗かれるかもしえれません。でも、ここはすぐに満室になりました。嫌ならカーテンを閉めれば良いし、みんなそのうち心を許す素晴らしい隣人になるかもしれません。