学校建築・福祉施設・オフィス・工場をはじめとした設計実績が豊富な建築家・吉田明弘の建築に対する考え方をお伝えしていきます。
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防火地域・木造で木を外壁に使う
建築関連法規によって建物を耐火構造とし、外壁を不燃材料にいなければならない場合があります。鉄筋コンクリート構造の場合は耐火建築物ですので、そのまま外壁に木材を貼り付けることが認められる場合があります。私が設計した「ハートホーム宮野」では、木造軸組耐火建築とした上でさらに外壁に木のルーバーで覆いました。一般的には木造の耐火では外壁を窯業系サイディングなどの認定品で覆われることになり、その上に木を貼ることは認められません。
ここで私たちが試みたことは、外壁から30センチほど離した位置で木のルーバーのスクリーンを設けることで消防から認められて実現しました。少し難しい納まりとなりますが、メリットとして、外壁に取り付く縦樋やエアコンの屋外機、換気扇のフードなどをルーバー内に隠すことができることです。見た目も木の暖かさが前面に出すことができました。
木を横桟方向でルーバーとして使うと経年変化(腐ったり、色落ちしたり、曲がってきたり)を気にされる場合があります。当然防腐剤と不燃材を塗りますが、これだけでは数年でメンテナンスが必要になります。経年で変形しないサイズで作り、ルーバー一本一本に水はけが良い勾配を加工をし、水が浸透しやすい切断面を養生する納まりとすることで寿命を飛躍的に伸ばすことができます。この辺りは経験と、同様の納まりで10年以上経った事例研究などのノウハウが必要です。
色落ちに関しては、海岸沿いの漁師町などを見に行くとよく理解できます。木の茶色が抜けてグレーに変色し、それがさらに経年による木の美しさを増すことになります。
2015年4月6日月曜日